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逢沢

 

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京都大学 情報学研究科

稲垣 耕作

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2012年5月7日

 韓流の「四月の雪」をBSでやるので観ろと友人。粗製濫造ですねえ。「阪急電車」の放送も最初からがっかりしてました。

 むしろ以前から書きたかった「数十年後のIT社会」のノベライズのために、少し資料を集め始めました。ITは世の中に大きな影響を与え、たとえば若者の職場を奪っています。その未来について、小説という形で考えてみたいと思います。

 なお、ぼくの私用メールアドレスは、主にヤフーの「kosaku_21」です。その後に「@yahoo.co.jp」と付けていただけば届きます。趣味のお話など何でも結構ですので、そちらへお気軽にどうぞ。お返事を出さない場合もありますので、あしからずご了承ください。かならず読んでいます。

 

2012年5月1日

 休日中に恋愛小説をいくつか斜め読みしました。ゲーム理論の執筆で焦ってるのになあ。ふだんは恋愛小説などいっさい読まない人です。まあ当たり前でしょう。

 だいたいは図書館で手に入ったのですが、三石由起子さんの『ダイアモンドは傷つかない』がなかったので、アマゾンで古本を注文。

 僕がSFで候補作まで行ったとつい口を滑らしたら、「僕の恋愛を小説にしてくれ」って友人がいて、その話ばっかりえんえんと聞かされてるんです。もう何十話になったことやら。それが恋愛小説を検討したきっかけになっています。

 平凡な愛です。けど、結局その愛は壊れました。なぜ壊れたのか、本人もわからないまま。だから堂々巡りの話を何十話もです。ストーリーのメリハリが欠けるどこにでもあるような愛のお話。女性側の心理について、彼は何も推測できていませんでした。普通の男として当然のことでしょう。

 あんまりしつこいので弱ってしまって、作家の構想力は恐ろしいんだって証明に、彼のいうエピソードのすべてに筋を通して、女性心理をキッチリ説明してやりました。ただし、全編を最悪のドドメ色に染めてしまって。そしたら「これなら芥川賞だ」って友人がため息をついて納得。ただ、暗澹たる解明に出くわして、真情はすっかり落ち込んでいます。

 お気の毒なので数日後、今度はまともな恋愛小説色に変えて差し上げました。女性の心は切なく葛藤し、なぜ二人が結ばれなかったかをきっちり説明した別の解釈になっています。これは芥川賞にはなりえないストーリーですが、おそらく真相なんでしょう。だから、友人が勢いづいて、ますます当時のことを話してくれるんですねえ。ホント、徹底的にです。僕に恋愛学博士の称号をくれました。

 小説というのは構想どおりに展開しないのがしばしばです。先日の候補作も、最後の解決編を事前に考えてなくって、四苦八苦してツジツマ合わせをしました。それでもまるで予定調和だって仕上がりにしないといけないのが、作家に必須の能力なんです。特に推理小説の場合なんか、解決編を二転三転させることがよくあります。まったく別の色に染めることだって必要です。今回いただいた実話の心理分析でもまあ成功したかなってところです。

 そんなわけで、この件を入口として、ふと恋愛小説も書ける年齢になったんだなと思ったんです。これは情報学の一種かな? まあそうでしょう。提供いただいた実話は、登場人物がほぼ二人なんで、芥川賞向きではないと思います。設定は実話と大幅に変えますが、どう構成するかなあ。

 で、ドロナワでいろいろ読み始めて、有川浩さんの『阪急電車』。冒頭、中洲に誰が造ったとも知れぬ「生」の字の造型。「生」の字にするっていうのは、僕もきっとこの字を選んだでしょね。彼女が突然どうして声をかけたかも、僕の年齢ならわかります。というか、そんな風に展開してます。ついでにいうと、男が書く筋立てですね。その次のマリッジブルーも普遍的な設定なんですが、あれれ、底が浅い? もうすぐ映画をTVでやるはずですが、う〜ん。

 次に、森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』。これは面白いスタイルを確立しましたね。大成功です。若い二人が交際をスタートさせるまでのお話。ワクワクさせます。デビュー作の『太陽の塔』は恋が終わるまで書いてありますが、始まる前のワクワク感っていつもいいもんです。密度の高い作家さんです。

 美嘉さんの『恋空』。パス。

 片山恭一さんの『世界の中心で愛をさけぶ』。文學界新人賞を受賞した人だから、文章力あり。物語が始まったとき、すでにヒロインは死んでますが、この手法は小説でときどき使います。僕だったら、白血病なしで泣かせる物語にしたいなあ。

 綿矢りささんの『蹴りたい背中』。これは恋愛小説? ま、恋愛の一種でしょう。若いのに文章技巧に凄みがあります。非常に楽しみな方です。サディスティックな性格かなと思うけど、女がサドで、男がマゾって逆転のほうが作家向きとして注目されるかな。僕はたいていの作家さんのようにノーマル系です。というか、ノーマルでないと、人物の性格の幅を描けないので。

 金原ひとみさんの『蛇にピアス』。綿矢さんの文章に触れてからだと、読むのに躊躇しましたが、想像力を飛翔させるのが上手です。ついでに映画の吉高由里子さんという逸材に心が動きました。生身で表現してます。監督ならこういう女優さんをぜひ使ってみたいでしょうね。

 で、届いたばっかりの三石由起子さんの『ダイアモンドは傷つかない』。1ページ目を読んで、あれ?と思って調べました。すばるあたりのコンテスト受賞作かと思い込んでいたのですが、三浦哲郎さんの推薦で「早稲田文学」に載ったんですね、受賞レベルの文章じゃありません。どうりで小説執筆がごく少ない人でした。文章力があったら、すごくいい作家になったでしょうね。作品を三浦さんが推薦するはずで、女性心理は非常に的確に描けていると思いました。ただ、男側の心理は描ききれてないかなあ。こういう男性って、女性を守る意識が非常に強いはずだし、肉体的にもけっして弱くないと思うのですが。

 そんなわけで、僕は新作などまだ書かせてもらえるあてなど全くないのに、ちょっと小説世界で遊んでみました。おかげでほかの仕事がピンチだ!

 

2012年4月16日

 なんと小説でデビューさせていただけます。

 東京創元社さんの創元SF短編賞に応募してみたら、最終候補作に残って、アンソロジーに収録していただけることになりました。別のペンネームです。

http://www.tsogen.co.jp/sftanpensho/

 同社の新人賞でしたが、僕は出版書籍も多いし、年齢も高く、旧人状態だと認識していました。若い方の就職状況が非常に厳しい中、定員枠を競うことにやや罪悪感を感じていたところ、具合よく選考を行っていただけたようで、選外だが収録という扱いにしてくださいました。同社からいただいたお電話では、応募作の中で最も端正に仕上がっている作品とのことでした。首の皮一枚程度でつないでいただけたのが、なかなか嬉しいです。「端正」とは古臭い作風ということでしょうか?

 なお、小説の構想の都合上、今後は「ぼく」ではなく、「僕」を使うことにします。といっても、どこの出版社さんからもお声がかからないでしょうが、未来をテーマにした本格SF、古代を舞台にしたSFファンタジーなどを書けたらなと思います。また、僕は恋愛小説など書ける人間ではないと思い込んでいたのですが、友人とメールのやり取りをしているうちに、意外にみずみずしい作品も書けそうかなという小さな野心も芽生えました。趣味と仕事をそっくり入れ替えてしまいたいという夢があります。いつまでも夢を捨てるべきじゃありませんね。

 僕にも小説を書けるかなと思い始めたのは、20年以上前のことでした。ヒトの知性を研究するという暗中模索の中、芸術作品の構造を分析したのです。ヒトが生み出した知的生産物の中に、なんらかの手がかりが潜んでいるかと思ったからでした。ややこしいことは省略しますが、その結果、小説という自然言語生産物も書けるかなと考えたしだいです。

 でも、この研究、もし論文を書いても、情報系学会で受け入れてくれるところはないかと思いました。みんな、コンピュータ屋さんばかりだからです。やがて僕も含めて手弁当で情報文化学会という学会を立ち上げていったのですが、もちろん大学の研究者がほとんどで、小説家さんなどはいません。専門家でもない方に論文を査読されて、あれこれ修正しろといわれるのは本意でないと思って、ここにも論文を投稿しませんでした。

 いま日本の情報学の状況を考えてみると、あの頃から情報コンテンツの研究がもっと盛んになっていたら、どれほどよかったことかと悔やまれます。おそらくほとんどの大学研究者は、いまも数十年前とたいして変わらない情報学の枠組みの中で営々と研究しているでしょう。僕なんかいまだに超異端です。日本独特の情報コンテンツ――マンガ、Jポップ、アニメ、ゲーム、美術、工芸など――は、クールジャパンと呼ばれ、急速にコンピュータを追い抜かんばかりの産業へと成長しているにもかかわらずです。

 そんなわけで、クールジャパンの研究と、そのフィールドワークの一環として、小説というメディアの実作にも手を染めていけたらなと小さな夢をもっています。メディアミックス的視点も加味してです。若い時代に、新しい恋人に出逢ったような気分で、なんだか懐かしいのです。

 

***

 

 東洋経済新報社で「ゲーム理論」の新しい解説書も書いているのですが、時間を削られるばかりで、予定よりだいぶ遅れています。2003年の『ゲーム理論トレーニング』(15万部ぐらいか)で、行動経済学のカーネマンの名前を入れておいたのは、まずまずの見識だったかと思いました。行動経済学の系統の本が売れ始めたのは、やっと2008年からでしたので。

 僕と同じケネス・アロー、アマーティア・セン理論の研究者で、第一人者の鈴村興太郎先生が、学士院会員になられたのもうれしく存じます。

 僕にSFのことを思い出させてくれた東洋経済の水野さん、ありがとうございました。

 

 

 

 

警告「仲田紀夫『算数パズル「出しっこ問題」傑作選』は盗用だらけ?」

 

お知らせ「森重文先生のパズル算数授業」2002528日)

 

 

 ようこそ。ここは科学入門、情報文明論、ぼくの趣味などに関する読み物のページです。ぼくが本名で書いているものは、一般の方には難解すぎるかもしれません。ペンネームで書いている場合には、読んでわかっていただけることを目指しています。

 なお逢沢明というペンネームは、

              逢沢=出逢いの場所=ネットワーク社会

                                          ⇒ 逢沢明=ネットワーク社会は明るい

              逢=偶然の出逢い=ランダム=カオス

              逢沢=カオスの縁

                                          ⇒ 逢沢明=カオスの縁を明らかにする

という下手くそなこじつけに由来します。また趣味はパズルや小説などです。

 このごろは本名での研究が忙しくて、たまに引き受けている程度です。理科系離れが深刻になっているので書いてみた数学や論理の入門書(パズル形式)が好評です。最近はゲーム理論という「かけひき論理」の入門書を出しました。

 

著者敬白

 

目次

 著書:

  『ゲーム理論トレーニング』 かんき出版

  『大人のクイズ』 PHP文庫

  『頭がよくなる○○パズル』シリーズ PHP研究所

  など

 

 趣味:

  パズル……超難解パズルの解決者です

  小説………ハヤカワSFコンテスト最終候補作

 

 経歴:

  交詢社『日本紳士録』を参照ください

 

 

パズルの鉄人さんたちへのリンク(だんだん増やします)

木下スーパー眞二(Dr. キノシタ)氏

「零の誕生」パズル

「ピタゴラKAN」パズル

「2000年問題」パズル

「だんご3兄弟」パズル

「すべては無から生まれる」パズル

「キノシタ暦」

 

 

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